「アートと環境をテーマとした仕事がしたい」
これが、アソシエイテッド・アーツという「アートワークの企画・設計及びプロデュース」会社を設立する動機でした。
日本がバブル絶頂期の頃にさかのぼります。
ちょうど日本がバブル一色に包まれ、「世界から学ぶものはない」と有頂天になっていた頃です。そして、私自身もそんな気分の中に身を置いていた一人であったかもしれません。
当時、コンサルティング会社に籍を置いていた私は、あるクライアントからの依頼で、アメリカ企業のアートとの関わりについての調査を担当していました。いくつかの米国の企業訪問を通して、そのオフィス環境の素晴らしさに素直に感激し、その中でアートが果たしている役割への興味が募ってきました。学生時に建築家を志したこともあり、「環境とアートのテーマ」に次第に興味が高まっていきました。
一方、ニューヨークの繁華街を歩くと、ディスプレイには高性能な日本製品が溢れていました。確かに世界に敵無しだったのかもしれません。
当時No.1の座を譲ったとはいえ、アメリカの豊かなオフィス環境の光景、そして街中の日本製品の光景、その対比が脳裏に焼き付いて暫くは離れませんでした。
今から思うと、ディスプレイされた日本製品の光景に、日本の環境の貧しさがダブって見えたのかもしれません。
「アートと環境をテーマとした仕事がしたい」とおもった種がその時に撒かれたわけです。
数年の準備期間を経て、湾岸戦争終焉と同時に会社設立を果たし、バブル崩壊とともに業務を開始し、失われた90年代を乗り切り、10年が経ちました。
設立動機は極めてささやかで個人的な体験がきっかけです。
しかし、多くの人々−事業主、設計者はもとより、アーティスト、協力者、そしてその環境のオーナーとなる人々、そしてスタッフ−の共感を得ることを通して、この10年があり、ますますこの仕事の裾野の広がりと奥行きを実感しています。
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